今日の決勝戦は、新時代の幕開けの到来を告げるものだった…。
日本カーリング選手権2024、決勝戦、北海道銀行リラーズ対SC軽井沢クラブ。
3時間に及ぶ緊迫した激戦は、大方の予想どおり、最終エンドのラストロックまで勝敗の行方が分からないものになった。
迎えた10エンド。
点差は1点リラーズリードで後攻はSC軽井沢クラブ。
2点以上取ればSC軽井沢クラブの逆転勝ちとなる。
史上まれに見る、スキップ・フォースのドロー合戦になった。
ここで何故か、前日の準決勝でのラストロックで勝負を決めた上野美優選手の姿が頭をよぎった。
約40メートル先の的まがけ、20キロのストーンを氷の上をすべらせて投げ、数㎝、ミリ単位の差が勝敗を分けるカーリング。
ラスト、すでにSC軽井沢クラブは1点を確保しており、あと1点を確保すれば勝利となる。
勝ったのはやはり、今日も上野美優選手のラストドローでSC軽井沢クラブだった。
ほんの、数㎝だけ北海道銀行リラーズが及ばなかった。
勝敗がつき選手たちが握手を交わし、この2チームはそれぞれに観客席に整列して一礼する。
それから歓喜の抱擁というところで、一番に泣き崩れたのは、チーム最年長の西室淳子選手だった。
男子はコンサドーレに負けてしまい、悲願のアベック優勝とはならなかったものの、個人としては、2005年以来、19年ぶりの優勝、このチームではもちろん、初優勝である。
西室淳子さんは、たびたび、ここでも書いてきたが、今日の試合、両チーム通じて、20~22歳がほとんどメンバーたちに交じって、一人カーリング歴30年という大ベテランの苦労人。
チームやメンバーに恵まれず、ずっとオリンピックで金メダルを獲ることを夢にかかげて、カーリングを続けてきた。
そんな西室さんがこの試合、いや、今大会のMVPと言っていいだろう、誰よりも明るくポジティブで大きな声をかけ、連日、身を削ってのフルスィープ。
点差にこそ現れなかったけれど、一貫して西室さんに引っ張られて明るい声をかけ続けたSC軽井沢クラブのほうが、劣勢になってもよりポジティブで自然体になり実力をhき出せたのだと思う。
これで、破れた北海道銀行リラーズも含め、今大会で日本カーリング女子の勢力図が大きく変わった。
大きくは5強、SC軽井沢クラブ、北海道銀行リラーズ、中部電力、、ロコソラーレ、フォルティウス。
世代別としては、SC軽井沢クラブ、北海道銀行リラーズの2022年世界ジュニア金メダル世代、ロコソラーレ、フォルティウスの91年世代、その中間が中部電力。
2026年、イタリアミラノ・オリンピックに向けて、まずは3つある日本代表決定戦への権利を一番に獲得したのが、SC軽井沢クラブとなった。
もちろん、3月に始まる世界選手権でのSC軽井沢クラブの活躍が楽しみだし、この新時代を今後、我が推し・ロコソラーレはどう乗り切っていくのだろうか。
まだまだ、これからもロコソーレ、フォルティウスの巻き返しを期待せずにはいられない。
そうなると、ますます日本カーリング界は面白くなると思うのだが、果たして…。
ではでは今日生きている奇跡にありがとう。
明日も良い一日でありますように。