精十郎日記

若年性パーキンソン病とDBS(=DeepBrainStimulation脳深部刺激療法)と僕(40代・次男)

電車に乗って…。

今日、おそらく、(僕にとっては)今年最後となるであろう、電車に乗って私用を済ませてきた。

「私用」と言っても、クレジットカードの更新に伴い、「nimoca(ニモカ)」というICカード乗車券機能の移し替えの手続きである。

これをやってないと、新しいカードでバスに乗れなくなってしまう。

実際使用するのは、次は2月になるんだけど、先延ばしにすると億劫になるだけだな、と考え、思い立ったら吉日、ということになった。(って密かに今日を計画はしていた)

 

正直、すくみ足が怖すぎて、緊張の連続だった。

今、慣れないことで心身ともに疲労困憊だけど、一度も転びはしなかった。

これが、ちょっとだけど、救いではないだろうか。

 

地元の駅に自転車で行って、電車に乗って四つ目の駅で降りる。

もう、そこはバスターミナルがあるぐらいだから、周りに田んぼはない。

そこに滞在したのは、多分時間にして15~20分程度。

バスの定期券売り場での手続きで、窓口には先に2、3人並んでいた。

僕も最後尾にすくみ足を気にしながら、ゆっくりと歩を進めた。

 

僕の前は、僕よりも少し年上に見えたけど、男性で松葉杖をついていた。

その男性は、自分の番になると障がい者手帳を出して窓口に手続きの内容を伝えたが、上手く伝わらなかったのが癇に障ったのか、ちょっとイラだった口調になってしまった。

声を荒げたりはなかったが、明らかに怒りのこもった不遜な態度に見えた。

 

あ、なんか、分かると思った。

こういうのは、とにかく健常者ファーストの手続きなのだ。

健常者と同じ列に並んで手続きをするという、めんどくさくもあり、でも生きるためには、必要なことであるので、松葉杖ついても窓口に来なければならない。

それを頼める家族などもいないのだ。(ちなみに彼も一人だった)

自分でできることはやるしかないのだが、できることならもっと在宅で電話でとか、遠隔でとか、郵送でとか、何か他に方法がありそうなものだ。

 

確かに昔に比べ、施設内には、エスカレーターやエレベーターの設置数は増えたかもしれない。

だが、例えば、彼にとっては、この、窓口に来ること自体が面倒で苦痛であったのかもしれないのだ。

実際、僕も怖くて緊張して胸がバクバクしながら、生きた心地がしないまま、電車に乗り、窓口の手続きは、たったの数分で5分とかからなかった。

 

でも、その時同時に思ったのは、人の振り見て我が振り直せ、であった。

冷静にならなければ、すくみ足は出てしまう。

感情に流されれば、それだけ転倒リスクが高くなってしまう…。

 

そんなこんなで今年最後の電車に乗っての「私用」は、無事に済んで今、その達成感とそこはかとない疲労感に浸っているところである。

 

ではでは今日生きている奇跡にありがとう。

明日も良い一日でありますように。

あした天気になあれ