結果から言うと、大学に入るまで2年かかった。
そのあいだは、予備校に通った。
親には感謝しかない。
根拠のない自信はあったが、やっぱり勉強は好きではなかった。
がむしゃらにやってみたが、長続きしない。
集中力がない。
効率が悪い。
得意な科目は国語。
それだけだった。
一言に根性とか、頑張れば報われるというが、そもそもその根性が自分にはなかったのではないか。
今度こそはと気合を入れてみるが、長続きしない。
眠くなる。
机で居眠り。
夜は夜でやっぱり眠たい。
眠気覚ましに散歩に出ると、1時間ぐらい歩いてしまう。
ちなみに、このころ1時間程度は無理なく歩けていた。
散歩の途中、コンビニに立ち寄ると、マンガの立ち読みを1時間。
これも苦もなくできた。
むしろ、机に向かうのが苦痛だった。
家中に単語帳のコピーを貼りまくった。
それで満足していた。
目につくが記憶には残らない。
電車のなかでも単語帳をめくっていた。
それも眺めるだけだった。
人間突然自由になってしまうとどうしていいがわからない。
成功した人の話とか聞くと、自分もやってみようとやる気になるが、同じようにやってみても、同じようには上手くいかない。
予備校の先生たちは魅力的なひとたちばかりだった。
今思うと、大学生のときより、よっぽど大事なことを学んだ気がする。
世の中のしくみとか、そういう基本的なこと。
今思うと、受験勉強というより、予備校の授業を勉強していたような気がする。
デキるひとみたいに、前のほうの席に座ってみても、やっぱり手足が震える。
でも、このときは比較的精神的に落ち込むことはなかった。
だって、もしかしたら、合格したら、何か変わるかもしれない、と何故かそんなことを信じ切っていた。
ある意味、前向きだったかも知れない。
だが、成績は上がらなかった。
自分で振り返ると、1年目より、2年目のほうが悪かった。
2年で限界を感じていた。
どうにかして、この状態を抜け出したかった。
そして、合格発表。
1校だけ受かった。
それは東京にある大学だった。
つづく。