精十郎日記

若年性パーキンソン病とDBS(=DeepBrainStimulation脳深部刺激療法)と僕(40代・次男)

クソみたいな日に

ドラマ「左ききのエレン」より

“クソみたい日に良いもの作るのがプロだ”

駆け出しデザイナーの主人公に、先輩がはっぱをかけたときの言葉。

 

少々下品な言葉だが、そのほうが僕の心にストレートに響いた。

「プロ」の部分は、「生きること」と言い換えてもいいだろう。

理想通りの良い体調は、いつまで待ってたっても来ないかも知れない。

むしろ、理想には程遠い体調がすぐれない日のほうが多い。

 

薬が効かない。

身体が重い。

眠い。

足が前に出ない。

 

雨が降っていて、散歩もできない。

家族にムカつく。

無性に腹が立って、怒鳴ってしまう。

ここ何日も笑っていない。

誰とも話してない。

寂しい。

 

引きこもりが続いている。

悪いニュースしかテレビでやってない。

 

ジスキネジア(※1)がひどい。

落ち着かない。

オフ(※2)で身体が動かない。

不安でいっぱいになる。

将来を考えると空しくなる。

 

家族にありがとうが言えない。

友達がいない。

孤独だ。

毎日同じで退屈だ。

毎日楽しくない。

 

やる気がない。

やりたいことがあまりない。

できることがそう多くはない。

好きなことがほとんどない。

そんな自分が嫌い。

 

でも、そんなクソみたいな日に僕は生きている。

今思えば、あのとき良かったなとは思う。

「あのとき」はもう二度と来ない。

身体的にも、気持ち的にも。

同じような状態には、戻るかもしれないが、「あのとき」は戻って来ない。

過去のことは過去のこと。

 

そんな毎日を僕は、歯を食いしばって、のたうち回って、這いつくばって生きる。

そのうち、それが生きることだと慣れてしまえば、些細なことに気が付き始める。

些細なことに感動して、興奮して、うれしくて、「今」を生きるチカラになる、と思う今日このごろ。

 

ではでは、また明日。

 

※1ジスキネジア・・・不随意運動。自分の意思とは無関係に身体が動いてしまうこと。自分の場合、足、特に左足によくでる。個人差があり、動くところなら全身どこにでもあらわれる。場合によっては、動きが激しいので、ぶつけたりひねったりして危険が伴うこともある。

 

※2オフ・・・薬の効き目が切れて状態が悪い。動けない、身体が重い、歩けない。ちなみに、ジスキネジアは、薬の効いているとき、副作用であらわれる。