ドラマ「左ききのエレン」より
“クソみたい日に良いもの作るのがプロだ”
駆け出しデザイナーの主人公に、先輩がはっぱをかけたときの言葉。
少々下品な言葉だが、そのほうが僕の心にストレートに響いた。
「プロ」の部分は、「生きること」と言い換えてもいいだろう。
理想通りの良い体調は、いつまで待ってたっても来ないかも知れない。
むしろ、理想には程遠い体調がすぐれない日のほうが多い。
薬が効かない。
身体が重い。
眠い。
足が前に出ない。
雨が降っていて、散歩もできない。
家族にムカつく。
無性に腹が立って、怒鳴ってしまう。
ここ何日も笑っていない。
誰とも話してない。
寂しい。
引きこもりが続いている。
悪いニュースしかテレビでやってない。
ジスキネジア(※1)がひどい。
落ち着かない。
オフ(※2)で身体が動かない。
不安でいっぱいになる。
将来を考えると空しくなる。
家族にありがとうが言えない。
友達がいない。
孤独だ。
毎日同じで退屈だ。
毎日楽しくない。
やる気がない。
やりたいことがあまりない。
できることがそう多くはない。
好きなことがほとんどない。
そんな自分が嫌い。
でも、そんなクソみたいな日に僕は生きている。
今思えば、あのとき良かったなとは思う。
「あのとき」はもう二度と来ない。
身体的にも、気持ち的にも。
同じような状態には、戻るかもしれないが、「あのとき」は戻って来ない。
過去のことは過去のこと。
そんな毎日を僕は、歯を食いしばって、のたうち回って、這いつくばって生きる。
そのうち、それが生きることだと慣れてしまえば、些細なことに気が付き始める。
些細なことに感動して、興奮して、うれしくて、「今」を生きるチカラになる、と思う今日このごろ。
ではでは、また明日。
※1ジスキネジア・・・不随意運動。自分の意思とは無関係に身体が動いてしまうこと。自分の場合、足、特に左足によくでる。個人差があり、動くところなら全身どこにでもあらわれる。場合によっては、動きが激しいので、ぶつけたりひねったりして危険が伴うこともある。
※2オフ・・・薬の効き目が切れて状態が悪い。動けない、身体が重い、歩けない。ちなみに、ジスキネジアは、薬の効いているとき、副作用であらわれる。