精十郎日記

若年性パーキンソン病とDBS(=DeepBrainStimulation脳深部刺激療法)と僕(40代・次男)

コミュニケーション

「痛いのを我慢して、よく頑張られてましたよ」

こうやって文字にするとわかりにくいかもしれない。

これは、去年2週間ほど入院した際に、大部屋で同室になった初老の男性患者と看護師の会話で、僕が印象に残っている言葉である。

状況としては、おそらくこの患者が言うことを聞かず、ごねているときに彼をなだめようとして、看護師が放った一言である。

効果てきめんだった。

言葉の意味としては、子供のころによく言う「よくがんばりました」の目上の方や尊敬語の意味あいが含まれた表現である。

僕が印象に残ったのは、この「がんばりました」の言葉を大人のひとに、しかも年上のひとに使ったところに、新鮮な説得力を感じた。

あまりの衝撃に、感動し、忘れないようにメモしておいたほどだ。

 

考えてみれば、子供のころは、よく聞いたものだ。

なにかあると、「よくがんばったね」とよく先生や大人たちに言われたものだ。

そして、自分が大人になった今、そんな言葉をかけられることはまずない。

自分からひとにもあまり使うこともない。

では、大人になったら、がんばってないのか。

そうではないと思う。

おそらく、大人なんだからがんばって当然だと、どこかで思っているのではないか。

そう感じるのは、もしかしたら自分だけの少数意見かもしれないけれど。

 

「キツイですか?身体キツイですよね、ダルいですよね。」

これは、ある理学療法士の方が、ぐったりしてリハビリに行きたがらない自分にかけてくれた言葉。

このときは、言葉といっしょに背中や脚や手や全身をさすってマッサージしてくれた。

無理矢理に起こされた感じだった僕も、ここまでされては行くしかなかった。

車椅子を押しながらも、時々背中をさすってくれた。

そして、一時的にしろ、楽になったのは事実だった。

聞くのは誰でもできる。

それが苦しさがどんなで、その状態を共有してくれる、気持ちをわかってるよって意味に僕は感じた。

この方のコミュニケーションのとり方には、感動した。

ほんの数回しか僕の担当はなかったけれど。

 

その時は、お世話になりました。

感謝しております。

ありがとうございます。

 

ではでは、また明日。